ゴルフ

ゴルフ肘とは

通称はゴルフ肘ですが正式な名称は、上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)と言います。ゴルフを続けていたり手首をひねる動作を繰り返すことで、肘や前腕の内側に痛みを発症するスポーツ障害です。

症状

肘の疼痛

ゴルフ肘では上腕骨内側上顆部という肘の内側が炎症を起こしています。

肘のスポーツ障害でテニス肘という肘の外側に痛みが出る疾患もありますが、ゴルフ肘はゴルフのスイングする際に痛みが出現し、テニス肘とは痛みの箇所が違います。テニス肘は肘の外側に痛みが出るのに対し、ゴルフ肘は肘の内側に痛みが出るのが特徴です。

ゴルフ肘かどうかの目安に

以下の動作をした際に、肘の内側の少し出っぱった骨のあたりが痛む方は、ゴルフ肘の可能性があります。

⚪️肘の内側の出っぱった骨のあたりを押した時
⚪️腕を引っ張った時
⚪️腕を曲げたりひねったりするなどの運動をした時
⚪️手を握りしめた時

原因

ゴルフ用品

肘に過度な負担がかかった状態でゴルフのスイング動作を続けることです。

ゴルフのグリップをつかむ際に過度な力が入っていると、手関節の動作筋に負担がかかります。この筋肉の付着部である肘の内側にある「上腕骨内側上顆」と呼ばれる部分に、繰り返し動作を行い、オーバーユースによる炎症が起こることが原因です。

これにはスイングフォームに問題があることが多いです。

例えば、
⚪️両肘に力を入れ過ぎた状態でスイングしている。
⚪️グリップに過度な力を入れた状態でスイングしている。
⚪️肘が突っ張った状態でスイングしている。
⚪️体全体ではなく手首だけで振っている。
⚪️体を回旋せずに手打ちの状態でスイングしている。
⚪️手打ちを避けるために肘から下を固定し過ぎいる。
⚪️ダフる(球の手前の地面を打ってしまう)。

このようなゴルファーはゴルフ肘になりやすいです。

診断

肘の内側に痛みがあるかどうかを確認します。肘の内側の骨が出っぱった部分、及びそこから手の方向に1㎝くらいの部分を押した時に痛みを感じれば、ゴルフ肘が疑われます。

必要に応じてレントゲン、MRI 、エコー検査を行います。

ご自身で出来る応急処置、RICE処置

アイシング

スポーツ外傷に限らず、一般外傷時の応急処置がRICE処置です。RICEは医療機関を受診する前に現場で行うことができる処置であり、外傷治療の第1段階と言えます。

RICE処置とは、Rest(安静) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(拳上)の頭文字をとった名前の処置です。また外傷直後に適切な処置が行われることで重症化を予防し、外傷そのものの治癒も早めることができます。

①Rest (安静)

スポーツ障害により負傷した際にすべきことは、まず患部を固定して、安静にすることが大切です。無理に動かそうとすると、痛みが増したり、症状が酷くなったりする可能性があるので注意が必要です。安静にする際は、痛みがない姿勢で休むことが大切です。

②Icing(冷却)

氷や氷水を使って炎症を起こした部位を冷やします。患部を冷やすことで血管が収縮するため、痛みを感じにくくなるとともに、腫れや内出血を抑えることができます。

氷水を当てていると痺れて感覚がなくなりますので、そうなるといったん氷水を外し、2〜3時間ほど間をあけてから再びアイシングをします。この作業を何度か繰り返しましょう。

凍傷を防ぐために氷をビニール袋に入れてタオルの上から当てるのがおすすめです。ただし、シップや冷えピタなどは深部の冷却効果はありません。

③Compression(圧迫)

冷却と同時に、怪我をした部位を包帯やテーピングで圧迫することで、出血や腫れを抑えることができます。患部にスポンジのような柔らかいものをパッドとして当て、末端に近いほど強めに、体幹に向かうほど徐々に弱く圧迫するのが理想です。

20分ほど圧迫と冷却を続けると、血流の流れが悪くなり神経も圧迫されるので、青くなったり痺れてきたりします。

ここで圧迫、冷却を一旦やめます。5分ほど経つと痺れもなくなり、皮膚も赤みを帯びて循環障害を予防できます。この圧迫と冷却を繰り返し行います。

注意: 圧迫し過ぎると先端の循環障害を引き起こします。また冷却によっても血液の循環が悪くなっているため、圧迫部位が壊死してしまう危険性がありますので注意が必要です。

④Elevation(挙上)

受傷部位の腫れを防ぐため、また早く腫れをひかせるために、患部を高く上げることが大切です。

腫れはリンパ液や血液などの水分からなっています。患部を心臓より高く持ち上げることで、出血が軽減され、血液や体液による障害部位の圧迫も避けることが可能となり、静脈の返還が助長されるので腫れや内出血も軽減します。

治療

⚪️肘を安静にすることで、酷使した筋肉は休ませて自然に回復するのを待ちましょう。
⚪️炎症を起こしているので消炎鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)の投与、湿布で炎症を鎮めます。
⚪️痛みが強いときはステロイドの局所注射をします。
(ただし、6ヶ月以上の長期的な投与は効果がないという報告もあります。)
⚪️サポーター、テニスエルボーバンドを巻く。
⚪️低周波など電気治療や超音波治療。
⚪️保存療法で改善が見られない時や再発を繰り返す時は、腱鞘切開術(腱鞘を解放する手術)を行います。

最新の治療

採血

PRP治療(自己多血小板血漿注入療法)

最近は自分の血液を用いた再生医療も広まってきています。

これはPRP治療と呼ばれ、採取した血液から高濃度の血小板(自己多血小板血漿)を患部に注射する治療法です。血小板には、傷ついた組織を修復する様々な成長因子が多く含まれています。

この成長因子の働きを利用し周囲の細胞に働きかけ、損傷した部位を修復し痛みを取り除きます。患部に注射するPRPは患者様ご自身の血液であるため、副作用も少ない治療法です。

セルフケアのストレッチ

自分でできる治療や予防として、ゴルフラウンド前後にストレッチを行いましょう。

腕や肘の内側のストレッチ
①手のひらを上にして腕を真っ直ぐに伸ばします。
②反対の手で指を下に引っ張ります。
③腕の内側が伸びているかを意識しながら30秒ほど行いましょう。

腕や肘の外側のストレッチ
①手のひらを下にして、腕を真っ直ぐに引っ張ります。
②反対の手で指を下に引っ張ります。
③腕の外側が伸びているかを意識しながら30秒ほど行いましょう。

 

No.0010

監修:院長 坂本貞範

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